犯罪被害給付制度
犯罪被害給付制度は、故意の犯罪行為により、不慮の死亡、重傷病又は障害という重大な被害を受けたにもかかわらず、何らの公的救済や加害者側からの損害賠償も得られない犯罪被害者又はその遺族に対して、社会の連帯共助の精神に基づき、国が犯罪被害者等給付金を支給し、その精神的・経済的打撃の緩和を図り、再び平穏な生活を営むことができるよう支援する制度です。
対象となる犯罪被害
犯罪被害給付制度の対象は、人の生命、身体を害する故意の犯罪行為(したがって、通常過失犯であることの多い※交通事故などは含まれません)によって、被害者が死亡したり、1か月以上の療養を必要とする重傷、重病を負ったり、一定の後遺症が残った場合です。
※ひき逃げや無保険車両による被害者への救済制度として、「政府保障事業」というものがあります。これは事故により、自賠責保険又は自賠責共済からの保険金の支払いを受けられない被害者を救済するための制度です。
政府保障事業
- 傷害事故の場合、治療関係費、休業損害、慰謝料等が支払われ、限度額は120万円。
- 事故の翌日から2年(後遺障害は症状固定日の翌日から2年)で請求権は時効となります。
(請求窓口は、全国の損害保険会社、農協等で受け付けています。)
犯罪被害給付金の種類
- 遺族給付金(被害者が亡くなられた場合)
- 重傷病給付金(重傷病を負われた場合)
- 障害給付金(障害が残った場合)
支給を受けられる人
亡くなられた被害者の第一順位の遺族
支給を受けられる遺族の範囲と順位
- 配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にあった人を含む。)
- 子
- 父母
- 孫
- 祖父母
- 兄弟姉妹
被害者の収入によって生計を維持していた被害者の
被害者が死亡前に療養を要した場合
その負傷又は疾病から1年間における保険診療による医療費の自己負担分と休業損害を考慮した額の合算額を加算し、支給されます。
支給額
一定の生計維持関係遺族がいる場合 2,964.5万円〜872.1万円
それ以外の場合 1,210万円〜320万円
(第一順位の遺族が二人以上いるときは、その人数で除した額)
支給を受けられる人
犯罪行為による加療1ヶ月以上の負傷又は疾病で、かつ、負傷又は疾病にかかった日から起算して1年を経過するまでの間に、当該療養のために3日以上(1年間に通算して3日以上)入院した被害者本人。
ただし、当該疾病が精神疾患である場合は、加療1ヵ月以上、かつ、3日以上労務に服することができない程度であった場合。
支給額
負傷又は疾病から1年間における保険診療による医療費の自己負担額と休業損害を考慮した額の合算額を加算し、支給されます。
注意
平成18年3月31日以前に犯罪被害を受けた方は、「当該犯罪行為により加療1ヶ月以上の負傷又は疾病で、かつ、負傷又は疾病にかかった日から起算して3ヶ月を経過するまでの間に、当該療養のために14日以上(継続入院の必要なし)病院に入院」した方が対象となります。
支給を受けられる人
犯罪の被害により障害が残った被害者本人(障害等級:第1級?第14級)
支給額
重度の障害(障害等級第1級から第3級)が残った場合 3,974.4万円〜1,056万円
それ以外の場合 1,269.6万円〜18万円
障害とは
負傷又は疾病が治ったとき(その症状が固定したときを含む)における身体上の障害で、法令に定める程度の障害(第1級〜第14級)です。
申請手続をするには?
給付金の申請を受けようとする方は、住所地を管轄する都道府県公安委員会に申請を行ってください。受付は、住所地を管轄する警察署又は警察本部で行っており、申請書及び申請に必要な書類等を提出していただきます。申請に必要な書類等については、犯罪被害者支援室までお問い合わせください。
申請期限があります
犯罪行為による死亡、重傷病又は障害の発生を知った日から2年間を経過した時、又は当該死亡、重傷病又は障害が発生した日から7年を経過した時は申請することはできません。
ただし、当該犯罪行為の加害者により身体の自由を不当に拘束されていたことなどのやむを得ない理由により、この期限内に申請できなかったときは、その理由のやんだ日から6か月以内に限り、申請をすることができます。
犯罪被害給付制度の概要