失業保険とは

失業保険(雇用保険)とは

失業保険(雇用保険)

雇用保険は政府が管掌する強制保険制度です。
(労働者を雇用する事業は、原則として強制的に適用されます)

 

「失業保険」という呼名の制度ではなく、正式には「雇用保険」という名称です。失業保険(失業等給付)だけを考えると失業保険の方がしっくりくるのですが、この保険には他の役割もあり、雇用に関する総合的な役割を持つことから「雇用保険」と名付けられています。

 

雇用保険の被保険者の方が、定年、倒産、契約期間の満了等により離職し、失業中の生活を心配しないで、新しい仕事を探し、1日も早く再就職していただくために支給されるものです。

失業保険(失業等給付)には4種類あり、「求職者給付」、「就職促進給付」、「教育訓練給付」、「雇用促進給付」があります。一般に失業保険と呼ばれるのは、求職者給付の中の「基本手当」のことを指します。

 

但し失業給付は、退職すればどのような場合でも誰でも受給できるものではありません。一定の受給要件を満たしていることが必要です。

「就職しよう」という意思があるにも関わらず、就業できない失業状態であること。
離職するまでの2年間で、雇用保険に加入していた月が通算して12か月以上あること
(パートなどの日給計算の場合、雇用保険に加入していた月にカウントできるのは、賃金支払の基礎となった日数が11日以上の月です)

また倒産・解雇等により失業した人や、特定理由離職者(契約期間が終了し更新がない人、病気や妊娠などの正当な理由で離職した人)は、離職するまでの1年間で、雇用保険に加入していた月が通算して6か月以上あればOKです。
また、パートタイマーなどでも、1週間の所定労働時間が20時間以上であり、31日以上引き続き雇用されることが見込まれるのであれば雇用保険の被保険者となり、正社員などと同様の条件で基本手当を受けることができます。

 

給付額は在職中の賃金から計算される

 

この失業給付(基本手当)の支給額は、1日当たりの支給金額を「基本手当日額」として示されています。 この「基本手当日額」の算出の仕方ですが、まず「賃金日額」というのを計算します。この賃金日額は、退職前の1日あたりのお給料ということで、退職日の直前の6か月に支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額です。この金額の中にボーナス等は含まれませんのでご注意を。

 

この「賃金日額」のおよそ50〜80%(60歳以上65歳未満については45〜80%)が基本手当の支給額となっています。また、基本手当日額は年齢区分ごとにその上限額が決められています。平成25年8月1日から実施される上限額は以下の通りです。

 

年齢区分に応じた賃金日額・基本手当日額上限(平成25年8月1日〜平成26年7月31日適用)

離職時の年齢

賃金日額の上限額 (円)

基本手当日額の上限額 (円)

29歳以下

12,810

6,440

30〜44歳

14,230

7,115

45〜59歳

15,660

7,830

60〜64歳

14,940

6,723

【例】
29歳で賃金日額が14,000円の人は、上限額(12,810円)が適用されますので、平成25年8月1日以降分の基本手当日額(1日当たりの支給額)は、6,405円となります。

 

 

雇用保険制度の概要

  1. 労働者が失業してその所得の源泉を喪失した場合、労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合及び労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に、生活及び雇用の安定と就職の促進のために失業等給付を支給
  2. 失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図るためのニ事業を実施する、雇用に関する総合的機能を有する制度です。

失業保険(雇用保険)仕組み

 

4種類の失業保険(失業給付)

求職者給付(基本手当) 就職促進給付

求職者給付(基本手当)

受給を受けるための欠くことの出来ない条件としては、会社の職から離れた場合において、加入期間などを満たし、失業状態にある人たちが給付される対象となります。

 就業促進給付

基本手当の受給中に就職が決まった場合、一定の条件を満たしている人に支給されます。就業促進給付は支給残日数や安定した職業に就いているかどうか等により、「再就職手当」「就業手当」「常用就職支度手当」に分かれています。就職促進給付の支給申請には期限がありますので注意が必要です。
教育訓練給付 雇用継続給付

教育訓練給付

働く方の主体的な能力開発の取組みを支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とする雇用保険の給付制度です。

雇用継続給付

定年後に再就職したり、再雇用等で就職した高齢者が、60歳到達時より賃金が下がった場合に、その補てん分として支払われる給付金を指します。受け取りの条件には、賃金が60歳到達時と比べて75%未満である事、被保険者期間が5年以上ある事、年齢が60歳以上65歳未満の雇用保険の被保険者である事、等があります。

 

 

 


失業保険(雇用保険)とは記事一覧

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雇用保険は政府が管掌する強制保険制 度です。労働者を雇用する事業者は、原則として強制的に加入していますので、労働者は、基本的にはこの雇用保険に加入していることになります。この雇用保険は、労働者が失業中にお金の心配をすることなく就職活動が出来るように と給付される「失業給付(基本手当)」や、「再就職手当」や「就業手当」などの「就業促進手当」、指定の教育を受けた時に給付される「教育訓練給付金」などの制...

一般に失業保険と呼ばれるのは、求職者給付の中の「基本手当」のことをいいます。この手当は、雇用保険の被保険者だった方が、定年や倒産、自己都合等により離職し、失業中の生活を心配しないで、新しい仕事を探し、1日も早く再就職するのを支援するために支給されるものです。しかし、会社を辞めた人の全てがもらえるわけではなく、受給するためには条件があります。基本手当の給付日数(基本手当の支給を受けることができる日数...

65歳以上で失業!したとき65歳前から引き続き雇用されていた被保険者が65歳以降に失業した場合、被保険者期間に応じて給付を受けることができます。受給条件原則、離職の日以前1年間に通算した被保険者期間が6ヶ月以上あるときに一時金として受給できます。受給期間離職の日の翌日から1年間です。   給付額

雇用保険の被保険者が離職して、次の1及び2のいずれにもあてはまるときは一般被保険者については基本手当が支給されます。(1)  原則として離職の日前2年間に、賃金支払の基礎となった日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あり、かつ、被保険者期間が満12ヶ月以上あること。 ただし、倒産・解雇等により離職した方や、労働契約が更新されなかったため離職した有期契約労働者の方、正当な理由のある自己都合により退職...

会社都合の場合には「特定受給資格者」と見なされ、失業保険の給付期間が一般の離職者に比べ失業給付(基本手当)を受ける際の受給要件が緩和されたり、給付日数が増えたりして優遇されます。上記の内容から、離職者にとって離職理由は非常に重要性が増していると言えます、この離職理由をめぐって労使間のトラブルにまで発展するケースさえあります。意外と自分の思い込みで会社都合なのに、自己都合で申請する方がいます。しっか...

基本手当はハローワークで離職票を提出した日から最初の7日間はハローワーク側での受給者の審査期間ということで支給対象外となります。この一週間は一般に「待機」と呼んでいます。自己都合による退職や懲戒解雇の場合は、この待機期間に加えてさらに3ヶ月間の給付制限がありますので3ヶ月+1週間の間は失業保険が受給できませんので注意してください。基本手当は、4週間に1度ずつ失業の認定を受け、その後に給付金が振り込...

基本手当の給付日数(基本手当の支給を受けることができる日数)は90日から360日で、年齢、雇用保険の被保険者であった期間、離職の理由などにより決定します。倒産・解雇等により再就職の準備をする時間的余裕なくして離職を余儀なくされた場合は特定受給資格者に該当し、一般の離職者に比べ手厚い給付日数となることがあります。給付日数一覧表基本手当日額上限(平成23年8月1日〜平成24年7月31日適用)

原則として離職した日の翌日から1年間となっています。 ただし、所定給付日数が330日の方は、離職の日の翌日から1年間+30日所定給付日数が360日の方は、離職の日の翌日から1年間+60日 になります。これを「受給期間」といい、この「受給期間」を過ぎますと、たとえ「所定給付日数」分の支給を受け終わっていなくても、それ以後は、基本手当は支給されません。[例]所定給付日数240日の方の場合給付期間※特定...

虚偽の申告・不正の行為で基本手当等を受給したり、又は受けようとした場合には、以後これらの基本手当等を受けることができなくなるほか、受給した金額の返還を命ぜられます。更に、不正受給とは別に不正受給額の2倍に相当する額以下の金額の納付を命ぜられることもあります。知らなかったでは許してくれないいわゆる3倍返しを命ぜられることがあります。不正受給のケース「失業認定申告書」に実績として記載する就職活動の実績...